皆さん、こんにちは、ヒゲ博士じゃ。マクロファージと言えば、ばい菌の排除や、体の修復・再生を思い浮かべるかもしれんが、とても色々な働きをもっておる。今回、世界的な科学誌『Science』に、マクロファージのこれまで知られていなかった、とても興味深い働きが発表されていたのでご紹介しよう*1。それは、ハトの肝臓にいるマクロファージが“方角を知るセンサー”として働いているというのじゃ!
その実験の中身じゃが、19km離れた場所からハトを飛ばすと、晴れているときは太陽を手がかりにして、巣に帰ってこられた。また、曇りの日でも全員巣に帰ってきたのじゃ。太陽が見えないのに、どうやって方角を知るのじゃろう? そこで、マクロファージを一時的に減らしたハトを調べたところ、曇り空では方向が定まらず、なんとその日のうちには一羽も帰巣できず・・・。
詳しく調べてみると、肝臓のマクロファージは古くなった赤血球を処理し、そこから得た鉄をフェリチンとして蓄えておる。そのため、マクロファージは小さな磁石のような「超常磁性」をもっておるのじゃ。しかも肝臓では、この鉄入りマクロファージが神経のすぐ近くにおることから、研究者は地球の磁場をマクロファージが感じ取り、その情報を、神経を通じて脳へ知らせているのではないかと考えておる。
これは、まさに「肝臓内蔵型GPS」じゃないかのう。マクロファージは掃除屋、警備員だけではなく、ナビゲーターまでやっておるとは、ほんとうに多才な細胞じゃ。
*1: Science, 2026, doi: 10.1126/science.ady2486
出典:特定非営利活動法人自然免疫ネットワーク発行ニュースレター
