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ひげ博士のおはなし
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第70回 話題の“パントエア菌”の効果の秘密に迫る!!

(2025年3月 No.70より)

皆さん、こんにちは!ヒゲ博士じゃ。今年は花粉症に悩まされる方が例年よりも多く、黄砂の影響もあって、アレルギー症状がつらいという声をよく耳にする。そんな中、パントエア菌LPSを摂っていたら、アレルギーの症状がほとんど出なかったという方から、「どうして他の菌のLPSよりも、パントエア菌のLPSの方がマクロファージ(免疫細胞の一種)に効くの?」と聞かれたのじゃ。確かにパントエア菌LPSはマクロファージを使った実験で、よく使われている大腸菌LPSより少ない量で働くことや、動物実験で効果が高いことは示されておる。しかし、まだ正確なメカニズムはまだわかっておらんが、いくつの手がかりは得られているので紹介しようかのう。
LPSはご存知のようにLipid Aと言われる脂質部とコア多糖、O抗原多糖の3つで構成されておる。LPSがマクロファージ等の細胞に働く時には脂質部がトル様受容体4 (TLR4)に結合するが唯一の情報の入口と思われておった。最近、その他にも糖鎖部分を認識して情報を伝えることがわかってきたのじゃ。例えば、温度や圧力のセンサーであるPRPV4、糖と結合するレクチンのMGLやDC-SIGN、Dectin-2などがLPSの糖鎖と結合して作用を調整していることが報告されておる1,2)。これらのシグナルが組み合わさると、LPSの働きが変わる、つまりどのくらい効くかが違ってくる。まだまだ研究の途中だが、今後もっと明らかになっていくじゃろうな。

1)Recent advances in lipopolysaccharide recognition systems. Int J Mol Sci. 2020. doi: 10.3390/ijms21020379
2)C-type lectin receptors in host defense against bacterial pathogens. Front Cell Infect Microbiol, 2020. doi.org/10.3389/fcimb.2020.00309

出典:特定非営利活動法人自然免疫ネットワーク発行ニュースレター

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