皆さん、ひげ博士じゃ。最近のテレビニュースは新型コロナウイルスが怖いという話ばっかりで神経症になりそうじゃわい。ところで、ウイルスはどうやって感染するのかご存知かのう。コロナウイルスの表面にはスパイクというタンパク質があり、これが気道上皮細胞の受容体に結合するのじゃが、さらに気道上皮細胞がもつタンパク質分解酵素が働かないと細胞に侵入しない。つまり、感染するまで些か手間がかかるのじゃ。そしてなにより、気道は粘液で異物侵入から保護されているし、マクロファージが侵入したウイルスの除去をしている。だから、何重にも自然免疫のバリヤが張り巡らされているのじゃ。粘液がきちんと作られ、マクロファージが元気な人は簡単にウイルスに感染しにくいというわけじゃ。
さらに、自然免疫を高める話をしようかのう。LPSを経鼻投与すると、7日前より効果があり、3日間前ではしっかりとインフルエンザウイルス感染に対する抵抗性がでるというマウスの研究が報告*されている。すると、出かける前にはLPS飲んでおくのもお勧めじゃな。
*: The TLR4-TRIF pathway protects against H5N1 influenza virus infection” J Virology, 86: 19-24 (2012).
出典:特定非営利活動法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク発行ニュースレター