ひげ博士のホットレポート ─最新免疫講座─
目次
- 第35回 脳の発達と腸内フローラの話
- 第34回 歯周病菌の話
- 第33回 抗生物質とアトピーの話
- 第32回 抗炎症の仕組みの話
- 第31回 人工甘味料と腸内細菌叢の話
- 第30回 食事と抗菌作用の話
- 第29回 抗生物質の話
- 第28回 ステロイドの話
- 第27回 高血圧の話
- 第26回 iPS細胞の話
- 第25回 受精卵の話
- 第24回 腸内細菌の話
- 第23回 神経細胞の話
- 第22回 アルツハイマーの話
- 第21回 発熱の話
- 第20回 がん免疫の話
- 第19回 衛生仮説の話
- 第18回 乳酸菌との話
- 第17回 ノーベル賞の話
- 第16回 放射線の話
- 第15回 肝臓の話
- 第14回 火傷の話
- 第13回 抗菌物質の話
- 第12回 植物の話
- 第11回 腸の話
- 第10回 骨粗しょう症の話
- 第9回 テロメアの話
- 第8回 免疫進化の話
- 第7回 貪食の話
- 第6回 耐性菌の話
- 第5回 マクロファージの話
- 第4回 メタボの話
- 第3回 アレルギーの話
- 第2回 風邪予防の話
- 第1回 自然免疫の話
第10回 骨粗しょう症の話(2010年3月 No.10より)
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)・・・舌を噛みそうじゃ。わしのように耄碌してくると骨が弱くなってくるんじゃ。なに、わしが弱そうには見えん?フォフォフォ。それは、マクロファージ活性化と関係があるんじゃ。骨は変わらないように見えるが、実際には新陳代謝されており、一年では20-30%程度は生まれ変わっておる。それは、まず、マクロファージの仲間の破骨細胞が古い骨を溶かして除き、その後に、骨芽細胞がビタミンDの助けやカルシウムなどを使って、骨の石灰化を進めるのじゃ。この両方の細胞がバランスよく働くとしっかりと骨ができるんじゃな。悲しいかな、年を取ってくると、新陳代謝が低下して、骨が細く、もろくなるのじゃ。
ところで、わしらの研究では、糖脂質は、骨吸収も活性化するし、骨形成も活性化することがわかっておる。つまりじゃ、骨の若返りじゃな。一つの物質で両方に働くのはなかなかないのう。しかし、糖脂質だけじゃいかんぞ。カルシウム、ビタミンD、日光、運動も必要なんじゃ。何事も、バランスが大事じゃが、この鉄アレイはたいしたことないのう。
出典:特定非営利活動法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク発行ニュースレター